2026-10-26 週刊G醫t(2026年第43週 10/19〜10/25)

週刊G醫t

一次情報に基づく医療・薬事・制度の客観的ファクトニュース

デスクの眼

先週は、アバコパン製剤の新規投与差し控えに関する通知をはじめ、保険医療機関におけるデータ提出遅延に伴う加算算定不可の公表や、社会保険診療報酬支払基金のDX審査支払機構への改組など、医療安全、診療報酬実務、医療DXに直結する重要な通知や制度変更が相次ぎました。また、インフルエンザ発生状況や抗ウイルス薬の供給動向、労働者健康保持増進指針の改正、人口動態統計速報などが公表されています。

安全・感染症 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)

アバコパン製剤の新規投与差し控え等を通知

厚生労働省は令和8年10月21日付で、アバコパン製剤(販売名:タブネオスカプセル10mg)について、承認審査時の提出資料の信頼性に問題があり得るとし、新規患者への投与開始差し控えや中断・代替治療への切替えを検討するよう医療機関等へ通知した。

選定理由承認審査時の提出資料の信頼性に疑義が生じたアバコパン製剤について、新規患者への投与開始差し控えと投与中患者の代替治療切替え等の検討を求める厚生労働省からの緊急の通知であり、患者の安全確保の観点から最も重要度の高い情報です。

厚生労働省は令和8年10月21日、医薬局医薬品審査管理課長および医薬安全対策課長連名で、都道府県等の衛生主管部(局)長宛てに「アバコパン製剤の使用に当たっての留意事項について」(医薬薬審発1021第5号、医薬安発1021第3号)を発出した。本通知では、承認審査時に用いられた国際共同治験の試験成績に関する信頼性の疑義を踏まえ、新規の患者については本剤の投与開始を差し控えること、投与中の患者については中止又は代替治療への切替えを原則として検討することが示されている。 出典

アバコパン製剤を使用中の患者を抱える医療機関においては、治療上の有益性とリスクを再評価し、速やかに中止や代替治療への切替えに向けた個別対応の検討が望まれる。 出典

解説 厚生労働省は令和8年10月21日付で、医薬薬審発1021第5号および医薬安発1021第3号の通知を発出し、アバコパン製剤(販売名:タブネオスカプセル10mg)について新規患者への投与開始差し控えや中断、代替治療への切替えを検討するよう医療機関に求めた。本通知は、承認審査時の国際共同治験の試験成績に関する信頼性の疑義を踏まえた対応であり、医療現場での個別対応の実施が望まれます。 出典

注目の記事

行政・制度 厚生労働省 - 令和8年度診療報酬改定について

厚労省、データ提出遅延で加算算定不可の病院公表

厚生労働省は2026年10月19日、データの提出に遅延等が認められた保険医療機関について、同年11月のデータ提出加算(A245)および外来データ提出加算等の算定を認めない通知を発出し、対象機関を公表した。

厚生労働省保険局医療課は2026年10月19日付で、通知「データの提出に遅延等が認められた保険医療機関におけるデータ提出加算(A245)の取扱いについて」(保医発1019第1号)および「データの提出に遅延等が認められた保険医療機関における外来データ提出加算等の取扱いについて」(保医発1019第3号)を発出した。同年9月24日(オンラインの場合は翌開庁日12時)までに提出すべきデータの提出に遅延等が認められた別添の医療機関に対し、11月のデータ提出加算等の算定ができない旨を示している。 出典

解説 通知の別添に掲載された保険医療機関においては、2026年11月診療分における当該加算の算定除外や医事会計システムの設定確認などの実務対応が必要になると考えられます。 出典

医療DX 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(DX審査支払機構)

社会保険診療報酬支払基金が「DX審査支払機構」へ改組

社会保険診療報酬支払基金は令和8年10月1日付で「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(DX審査支払機構・HPDX)」へ改組し、本部事務所を東京都江東区豊洲へ移転した。

社会保険診療報酬支払基金は令和8年10月1日付で「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」(略称:DX審査支払機構、HPDX)へ改組された。また、同年9月24日には本部事務所が東京都港区から東京都江東区豊洲2丁目1番9号(豊洲セイルパークビル7・8階)へ移転している。 出典

法人の改組およびドメイン変更に伴い、オンライン請求システムや特定健診・保健指導システムの旧ドメインから新ドメインへの移行が同年10月5日に実施された。オンライン請求システムは令和9年3月末まで、特定健診・保健指導システムは令和9年8月末までに再セットアップが必要となる。 出典

解説 支払基金の改組および本部移転に伴い、医療機関等においては各種システムのドメイン変更やブックマークの更新、期限内でのシステム再セットアップ等の対応が求められます。 出典

安全・感染症 厚生労働省 - 感染症情報

厚労省、インフル発生状況と抗ウイルス薬供給を公表

厚生労働省は2026年10月23日、感染症情報ページを更新し、第42週のインフルエンザ発生状況や抗インフルエンザウイルス薬の供給状況を公表した。第42週の定点当たり報告数は9.08となった。

厚生労働省は2026年10月23日、「インフルエンザの発生状況」を公表した。令和8年第42週(10月12日〜10月18日)のインフルエンザ報告数は総数33,864人、定点当たり報告数は9.08となった(前週は総数47,746人、定点当たり12.81。昨年同期は総数12,576人、定点当たり3.26)。次回第43週分は10月30日に公表予定とされている。 出典

あわせて更新された「通常流通用抗インフルエンザウイルス薬の供給状況について(10月18日時点)」によると、9月21日から10月18日までの卸売業者から医療機関・薬局等への供給量は合計約164.7万人分となった。また、10月18日時点におけるメーカーおよび卸売業者の抗インフルエンザウイルス薬の保有量は合計約3,215万人分とされている。 出典

解説 定点当たり報告数は前週から低下したものの、前年同期の3.26を大きく上回る水準で推移しており、医療機関や薬局においては公表された供給量や自施設の抗ウイルス薬在庫の推移に応じた調達体制の検討が望まれます。 出典

行政・制度 福祉医療機構- 行政情報

厚労省、介護事故報告の様式見直し案を周知

厚生労働省は令和8年10月21日付で、介護保険最新情報Vol.1548およびVol.1547を発出し、事故報告の様式見直し案の提示と、特定福祉用具販売・住宅改修の給付分析に向けたシステム標準仕様書改定の検討方針を周知した。

厚生労働省老健局は令和8年10月21日付で事務連絡「介護現場において事故が発生した際の報告について(介護保険最新情報Vol.1548)」を発出した。全国的な事故防止のPDCAサイクル構築に向け、報告様式の見直し案を示している。介護サービス情報公表システムのサブシステムとして「介護現場における事故情報報告システム」を構築し、令和9年4月頃からの稼働を予定している。 出典

同日付で発出された「特定福祉用具販売・住宅改修の給付分析に向けた介護保険システム標準仕様書の改定に関する検討について(介護保険最新情報Vol.1547)」では、現行の償還払い等の特性により支給実績が介護保険総合データベースに蓄積されていない課題に対応するため、保険者保有の給付実績を国保連に提供することを任意から必須機能とするなどのシステム標準仕様書改定に向けた検討方針が示された。 出典

解説 介護事故報告の一元化や福祉用具・住宅改修の給付実績のデータベース蓄積が進むことで、将来的な行政のデータ分析や制度見直しへの活用が図られると考えられます。 出典

職種別の影響

医師

薬剤師

事務・医事

病院経営

テーマ別ピックアップ

医療DX・電子カルテ

感染症・公衆衛生

医薬品供給・安全管理

各分野の公表・改定

安全・感染症

日本保険薬局協会

日本保険薬局協会、サイバーセキュリティ対策徹底を通知

一般社団法人日本保険薬局協会は2026年10月19日、事務局からのお知らせとして「サイバーセキュリティ・レジリエンス対策及びチェックリストの運用徹底について」を掲載し、同年10月16日付で会員向けに発出した通知を公開した。厚生労働省が2026年10月9日付事務連絡で、不正アクセスによる漏えい事案を踏まえた対策の実施と高性能AI悪用リスクに関する注意喚起の再周知を求めたことを受けたものであり、チェックリストの運用徹底、有事の備え及び訓練の実施、継続的な教育及び対策の見直しを求めている。 出典

解説 近時の不正アクセス事案やランサムウェア被害における侵入経路の傾向を踏まえ、薬局現場においてもガイドラインに基づくチェックリストの点検やバックアップ体制の再確認といった実務的な対応が求められていると考えられます。 出典

行政・制度

厚生労働省 - 新着情報

厚労省、労働者健康保持増進指針を改正 女性の健康等を追加

厚生労働省は10月19日、労働安全衛生法第70条の2第1項の規定に基づき、「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」の一部改正(健康保持増進のための指針公示第13号)を公示した。適用日は公示日と同日の2026年10月19日である。 出典

改正後の指針では、従来の生活習慣病予防等の一次予防に加え、月経困難症や月経前症候群、更年期障害等の女性特有の健康課題、歯科口腔疾患、骨粗鬆症等に対する検診受診や精密検査受診の勧奨といった二次予防が、健康保持増進措置として明確に位置づけられた。あわせて、医療保険者等との連携や、治療と就労の両立支援の充実を図ることも明記された。 出典

解説 指針に女性特有の健康課題や歯科・骨粗鬆症検診の受診勧奨が盛り込まれたことを受け、事業場の産業保健スタッフや人事労務担当者においては、社内の健康保持増進計画や医療保険者との連携体制を見直す検討が望まれます。 出典

厚生労働省

8月出生数5.9万人で3.7%減 厚労省の人口動態速報

厚生労働省政策統括官付参事官付人口動態・保健社会統計室が公表した人口動態統計速報によると、2026年8月の出生数は5万9,563人となり、前年同月(6万1,822人)から2,259人(3.7%)減少した。同月の死亡数は12万3,368人で前年同月(12万3,121人)より247人(0.2%)増加し、自然増減はマイナス6万3,805人となった。 出典

このほかの動向として、2026年8月の死産数は1,238胎(前年同月比5.2%減)、婚姻件数は6万9,385組(同61.8%増)、離婚件数は1万3,325組(同3.5%減)であった。速報の数値は調査票の作成枚数をもとに集計されており、日本における日本人・外国人のほか、外国における日本人および前年以前に発生した事象が含まれている。 出典

診療報酬情報提供サービス

特定薬剤管理指導加算の対象薬剤一覧が更新

診療報酬情報提供サービスは2026年10月20日、「特定薬剤管理指導加算等の算定対象となる薬剤一覧」を更新した。掲載ファイルは従来の「tokuyaku_20260911.xlsx」から「tokuyaku_20261020.xlsx」へ差し替えられた。同ファイル内には医薬品マスターをもとに加算の算定対象となる薬剤が整理され、該当薬剤を抽出したシートが収録されている。 出典

解説 特定薬剤管理指導加算等の算定対象となる薬剤一覧が更新されたことから、保険薬局や医療機関においては調剤録・レセコン等のシステム設定や算定対象薬品の該否について確認の検討が望まれます。 出典

厚生労働省 - 新着情報

厚労省、第8回医療扶助検討会を10月28日開催

厚生労働省は10月21日、「第8回医療扶助・健康管理支援等に関する検討会」を10月28日(16:00~18:00)に開催することを発表した。会場はTKP新橋カンファレンスセンターで、議事は「医薬品の適正使用・適正受診 等」となっている。会場での傍聴は報道関係者のみとし、YouTubeによるライブ配信を行う。 出典

厚労省の新着情報では同日、このほか「第24回成年後見制度利用促進専門家会議 開催案内」(10月27日開催)や「令和8年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」、「薬剤耐性(AMR)に関する記者勉強会のお知らせ」なども併せて掲載された。 出典

解説 本検討会の議事に医薬品の適正使用や適正受診が明記されていることから、生活保護受給者の診療や調剤に携わる医療機関・薬局においては、今後の議論の推移を把握しておくことの検討が望まれます。 出典

医療DX

厚生労働省 - 新着の法令

厚労省、処方箋の電磁的提供方法に関する省令改正

公布された省令(令和8年10月16日厚生労働省令第148号)では、機構または連合会に対する処方箋の電磁的提供、および調剤を実施する薬局に対する処方箋の提供方法について、これまでの「厚生労働大臣が定める情報の送付方法」から、医療情報基盤・診療報酬審査支払機構法等に基づく業務で使用する電子情報処理組織である「電子処方箋管理サービス」を使用する方法へと規定が改められました。 出典

解説 施行規則において電磁的な処方箋送付の手段として「電子処方箋管理サービス」の名称が明記されたことから、同サービスを介した医療機関と薬局間の処方箋連携基盤の法的位置づけが整理されたものと考えられます。 出典

医薬品・医療機器

厚生労働省 - 新着の法令

厚労省、ビラスチン等を要指導・処方箋医薬品へ指定

厚生労働省は2026年10月22日、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第四十九条第一項の規定に基づき厚生労働大臣の指定する医薬品の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第377号)および同法第四条第五項第三号の規定に基づく要指導医薬品の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第376号)を掲載・発出した。ビラスチン、その誘導体、それらの水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤が対象に含まれている。 出典

また同日付で、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第149号)や、人口動態・保健社会統計室所管の告示改正(令和8年厚生労働省告示第378号および第379号)が併せて掲載された。 出典

解説 ビラスチン含有製剤の要指導医薬品および処方箋医薬品の指定変更に伴い、薬局・医療機関における取り扱い分類や供給管理の確認が必要になると考えられます。 出典

短信