2026-11-01 G醫t News 月刊(2026年10月号)

G醫t News 月刊

一次情報に基づく医療・薬事・制度の客観的ファクトニュース

デスクの眼

先月は、厚生労働省による新薬収載や在宅自己注射指導管理料等の対象薬剤見直しに伴う告示発出のほか、ビラスチンの医薬品区分指定や薬価基準収載品目リストの更新が行われました。また、PMDAの医療機器WEB申請プラットフォーム停止への対応や、データ提出遅延に伴う診療報酬加算算定不可通知の公表、インフルエンザ発生状況および治療薬供給状況の公表などが相次ぎました。

医薬品・医療機器 厚生労働省 - 新着の法令

厚労省、薬価基準改定と掲示事項改正告示を公表 10月14日から適用

厚生労働省は10月16日、10月13日付の薬価基準等改正告示(告示第373号)および掲示事項等改正告示(告示第374号)を掲載した。新薬の薬価収載と在宅自己注射指導管理料等の対象薬剤規定見直しが行われ、令和8年10月14日から適用されている。

選定理由新薬の薬価収載や在宅自己注射指導管理料の対象薬剤規定の見直しを含む告示第373号および第374号が発出され、令和8年10月14日より適用された。全国の医療機関や保険薬局の処方・調剤および医事請求実務全般に直接影響を及ぼす内容であり、期日・対象範囲ともに極めて高い重要性を持つことから本号の1面トップに選定した。

厚生労働省は10月16日、10月13日付で発出された「使用薬剤の薬価(薬価基準)等の一部を改正する告示(告示第373号)」および「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部を改正する件(告示第374号)」をウェブサイトに掲載した。告示第373号ではイムルリオ錠200mgやリンヴォック内用液0.1%等の新薬の薬価が定められたほか、特掲診療料の施設基準等における在宅自己注射指導管理料等の対象薬剤規定が一部改正された。 出典

告示第374号による掲示事項等の改正事項は、令和8年10月14日から適用されている。 出典

解説 告示第373号および第374号により、イムルリオ錠やリンヴォック内用液などの新薬が薬価収載され、特掲診療料の施設基準等における在宅自己注射指導管理料等の対象薬剤規定が改められたことから、対象薬剤を取り扱う医療機関や保険薬局においては、令和8年10月14日の適用に伴う処方せんの受付、調剤時の請求コードの更新、医事会計システムのマスター設定などの実務的な点検作業が必要になると考えられます。 出典

注目の記事

行政・制度 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)

PMDA、医療機器WEB申請プラットフォームを当面停止 不正アクセス確認で

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、医療機器WEB申請プラットフォーム(DWAP)への不正アクセス確認を受け、脆弱性対応のため10月29日付で当面の間運用を停止した。新規の申請・届出は「FD申請ソフト」で受け付ける。

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は2026年10月29日、「医療機器WEB申請プラットフォーム(DWAP)の運用停止について」を掲載した。令和8年10月23日から10月26日までの間にDWAPへの不正アクセスが確認されたため、システム上の脆弱性への対応として当面の間運用を停止する。再開時期は未定で復旧まで相当の時間を要する見込みであり、現時点で情報の漏洩・既存データの改ざん・破壊は認められていない。 出典

DWAP運用停止中の新規の承認申請・届出については、厚生労働省の提供する「FD申請ソフト」を利用することとされている。また、申請・届出中の資料の差換え手続きについては、決定次第周知される。 出典

解説 医療機器の承認申請や届出においてWEBプラットフォームが利用できない状態となっているため、申請業務を行う企業等においては厚生労働省の「FD申請ソフト」を用いた代替手段への切り替えや今後の復旧状況の確認が必要になると考えられます。 出典

医薬品・医療機器 厚生労働省 - 新着の法令

厚労省、ビラスチン等を要指導医薬品および処方箋医薬品に指定

厚生労働省は2026年10月22日、医薬品医療機器等法に基づき、ビラスチン等を要指導医薬品および処方箋医薬品に指定する告示を発出した。

厚生労働省は2026年10月22日、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第四十九条第一項の規定に基づき厚生労働大臣の指定する医薬品の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第377号)および同法第四条第五項第三号の規定に基づく要指導医薬品の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第376号)を掲載・発出した。ビラスチン、その誘導体、それらの水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤が対象に含まれている。 出典

同日付で、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第149号)や、人口動態・保健社会統計室所管の告示改正(令和8年厚生労働省告示第378号および第379号)も併せて掲載された。 出典

解説 ビラスチン含有製剤の要指導医薬品および処方箋医薬品の指定変更に伴い、薬局・医療機関における取り扱い分類や供給管理の確認が必要になると考えられます。 出典

安全・感染症 製薬企業からの適正使用等に関するお知らせ

科研製薬、フィブラストスプレーの適正使用を要請 PRP混合注入事例で

科研製薬は、褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「フィブラストスプレー」について、自家末梢血由来PRPとの混合注入による皮膚隆起事例等を踏まえ、外用薬としての適正使用を求める文書を公表した。

PMDAの製薬企業からの適正使用等に関するお知らせページにおいて、2026年10月日付で科研製薬株式会社による「フィブラストスプレー250、同スプレー500の適正使用に関するお願い」が掲載された。同剤は褥瘡・皮膚潰瘍治療剤のトラフェルミン(遺伝子組換え)製剤であり、効能又は効果は褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)である。 出典

文書では、顔面のシワや陥凹変形に対し自家末梢血由来PRPとbFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)を添加した混合物を注入した後に硬結や過剰な皮膚隆起が発現した事例が報告されていることが示されている。本剤は外用薬であり注入投与の有効性・安全性は確立されていないため、効能又は効果、用法及び用量を遵守して適正に使用するよう呼びかけられている。 出典

解説 美容医療分野において承認外の投与方法による安全性上の懸念が示されていることから、医療機関においては適応外使用に関するインフォームド・コンセントの徹底や、承認された効能・効果に基づく適正使用の再確認が図られると考えられます。 出典

行政・制度 厚生労働省 - 令和8年度診療報酬改定について

厚労省、データ提出遅延医療機関を公表 11月の加算算定不可に

厚生労働省は10月19日、データの提出に遅延等が認められた保険医療機関について、11月のデータ提出加算および外来データ提出加算等の算定を認めない通知を発出した。

厚生労働省保険局医療課は2026年10月19日付で、「データの提出に遅延等が認められた保険医療機関におけるデータ提出加算(A245)の取扱いについて」(保医発1019第1号)および「データの提出に遅延等が認められた保険医療機関における外来データ提出加算等の取扱いについて」(保医発1019第3号)を発出した。 出典

通知では、同年9月24日(オンラインの場合は翌開庁日12時)までに提出すべきデータの提出に遅延等が認められた別添の医療機関に対し、11月のデータ提出加算等の算定を認めない旨が示されている。 出典

解説 通知の別添に掲載された保険医療機関においては、2026年11月診療分における当該加算の算定除外や医事会計システムの設定確認などの実務対応が必要になると考えられます。 出典

職種別の影響

医師

薬剤師

事務・医事

病院経営

テーマ別ピックアップ

医療DX・電子カルテ

感染症・公衆衛生

医薬品供給・安全管理

各分野の公表・改定

医薬品・医療機器

薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について

厚労省、薬価基準収載品目リストを更新 10月14日適用分を掲載

厚生労働省は2026年10月13日、「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」のウェブサイトを更新した。適用日を「令和8年10月14日適用」に変更し、10月14日収載品目を反映した内用薬・外用薬・注射薬等の各種ExcelおよびPDFファイルを公開した。 出典

解説 10月14日適用の最新リストが公開されたことにより、保険医療機関や保険薬局においては、院内・調剤システムのマスタ更新や後発医薬品使用体制加算等の算出用データへの影響を確認することが必要になると考えられます。 出典

行政・制度

厚生労働省 - 東海北陸厚生局

東海北陸厚生局、データ提出遅延対応やDPC定義改正通知を掲載

東海北陸厚生局は、令和8年10月19日付保医発1019第1号通知により、令和8年9月24日までに提出すべきデータに遅延等が認められた医療機関の令和8年11月データ提出加算の算定不可を掲載した。あわせて、同日付保医発1019第3号通知に基づき、外来データ提出加算等の11月以降算定不可機関および再提出実績による算定可能機関の一覧を示した。 出典

同日に掲載されたDPC関連通知(令和8年10月13日付保医発1013第2号および第3号)では、厚生労働省告示第375号の適用に伴い、診断群分類定義表「040040 肺の悪性腫瘍」の手術・処置等2への「セバベルチニブ」追加や、別表1への「フェニル酪酸ナトリウム」「ペグセタコプラン」等の薬剤追加および適応症追加が示されている。 出典

解説 別添リストに該当した保険医療機関においては令和8年11月以降の請求における医事会計システムの点検が必要となり、DPC対象病院においては追加された薬剤や処置等の定義に基づく算定区分の見直しが進められると考えられます。 出典

中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)

中医協、第660回総会を開催 医療経済実態調査や歯科用貴金属随時改定を議論

厚生労働省は2026年10月28日、中央社会保険医療協議会総会(第660回)を開催した。議題として、部会・小委員会に属する委員の指名等、医療機器及び臨床検査の保険適用、費用対効果評価専門組織からの報告、第26回医療経済実態調査、訪問看護経営実態調査、歯科用貴金属価格の随時改定が諮られた。 出典

解説 第26回医療経済実態調査や歯科用貴金属価格の随時改定に関する議論が進められていることから、次回以降の診療報酬改定に向けた動向に影響を与えるものと考えられます。 出典

厚生労働省 - 社会保障審議会(医療保険部会)

社保審医療保険部会、高齢者医療制度や出産支援強化を議論

厚生労働省は10月16日、同日開催の第218回社会保障審議会医療保険部会の資料を公表した。議題は「高齢者医療制度について」「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」「後期高齢者医療制度における金融所得の公平な反映のスケジュールについて(報告)」の3件とされ、資料1から資料3が提示された。 出典

解説 高齢者医療制度の見直しや出産支援の強化、金融所得の保険料への反映といった論点は、将来的な医療保険制度の負担割合や給付範囲の見直しにつながる内容であるため、医療機関や保険者の実務運用に影響を及ぼす可能性があると考えられます。 出典

協会けんぽ

協会けんぽ、令和8年度被扶養者資格の再確認を実施

全国健康保険協会は10月28日、保険給付の適正化を目的に健康保険法施行規則第50条に基づき実施する「令和8年度被扶養者資格の再確認について」を公表した。令和8年10月下旬から11月中旬にかけて、順次「被扶養者状況リスト」を事業主へ郵送する。 出典

今回の再確認は、健康保険の資格重複、同居要件を満たさない別居、令和7年中の課税収入額が130万円(60歳以上は180万円、19歳以上23歳未満かつ配偶者以外は150万円)以上である可能性が高い被扶養者を対象に実施される。事業主は被保険者への確認結果を記入し、要件を満たさない場合は解除手続きを行う。また任意継続被保険者の11月分保険料納付期限が11月10日であることも示された。 出典

解説 再確認に伴い扶養から外れる者が生じた場合、資格喪失後の保険証利用による過誤請求や保険者間調整の発生が懸念されるため、医療機関の窓口等においてはオンライン資格確認等を用いた受診時の有効な資格確認の徹底が望まれると考えられます。 出典

安全・感染症

厚生労働省 - 感染症情報

厚労省、インフルエンザ発生動向と治療薬供給状況を更新

厚生労働省は2026年10月30日、感染症情報ページを更新し、通常流通用抗インフルエンザウイルス薬の供給状況、インフルエンザに関する報道発表資料、定点当たり報告数の推移に関する掲載情報を更新した。 出典

解説 インフルエンザの発生動向や治療薬の供給量が定期的に更新されることにより、医療機関における流行状況の把握や抗インフルエンザウイルス薬の在庫管理の目安となると考えられます。 出典

厚生労働省 - 感染症情報

インフル定点報告数9.08 厚労省、治療薬164万人分供給と公表

厚生労働省が2026年10月23日に公表した「インフルエンザの発生状況」によると、令和8年第42週(10月12日〜10月18日)のインフルエンザ報告数は総数33,864人、定点当たり報告数は9.08(前週12.81、前年同期3.26)となった。 出典

「通常流通用抗インフルエンザウイルス薬の供給状況について(10月18日時点)」によると、9月21日から10月18日までの医療機関・薬局等への供給量は約164.7万人分で、10月18日時点のメーカー・卸売業者の保有量は約3,215万人分と公表された。 出典

解説 定点当たり報告数は前週から減少したものの前年同期を上回る水準にあり、公表された供給量と保有量を踏まえて各施設での在庫管理体制が確認されると考えられます。 出典

短信