2026-10-31 日刊G醫t(2026-10-31)

日刊G醫t

一次情報に基づく医療・薬事・制度の客観的ファクトニュース

デスクの眼

前日の医療界では、PMDAによるGLP-1受容体作動薬等の適正使用要請や医療機器WEB申請プラットフォームの停止が公表された。日本アレルギー学会などによる各種診療ガイドラインの改訂や、厚生労働省による労災レセプトでの四肢加算コメント必須化、DX審査支払機構による医科審査事例の公開、11月1日適用の薬価基準収載品目リストの提示など、診療・請求実務に直結する更新が相次いだ。

安全・感染症 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)

PMDA、GLP-1受容体作動薬等の適正使用を要請 美容目的の適応外使用で重篤事例

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は2026年10月30日、「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」No.18を掲載し、GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用と電子添文の遵守を要請した。

選定理由PMDAがGLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬について、美容・痩身目的の適応外使用によるケトーシスや救急搬送といった重篤な副作用事例を報告し、電子添文の遵守や受診指導を医療機関に要請した。安全管理および処方実務への影響が極めて大きいことから本号の1面トップに選定した。

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は2026年10月30日、「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」No.18として「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用のお願い」を掲載した。一部の医療機関における2型糖尿病及び肥満症の治療目的以外となる美容や痩身(ダイエット)を目的とした適応外使用の実態に加え、低血糖、急性膵炎、悪心、嘔吐、下痢等の副作用について注意喚起を行っている。 出典

美容・痩身目的で使用された際の副作用として救急搬送された事例が複数寄せられており、過度な食事制限下での使用による頻回の嘔吐からケトーシスやケトアシドーシスに至り、意識障害等を生じる危険性が指摘されている。PMDAは電子添文の遵守とともに、副作用発現時の投与中止および受診指導の徹底を求めている。 出典

解説 本剤を巡っては、厚生労働省通知(令和8年6月16日・10月14日)により適正使用の周知が行われてきた経緯があります。今回の文書では一般社団法人日本肥満学会の「安全な減量に関するステートメント―インクレチン関連薬を用いた減量によるケトーシス関連事象の注意喚起―」も関連情報として示されており、医療現場においてはPMDAのウェブサイトから得られる最新情報を含めた確認が望まれます。 出典

注目の記事

学会・診療指針 日本アレルギー学会 - ガイドライン・その他刊行物

日本アレルギー学会、「アナフィラキシーガイドライン2022」2026年改訂版を発行

日本アレルギー学会は2026年10月30日、「アナフィラキシーガイドライン2022」の2026年改訂版を発行し、公式ウェブサイトで公開した。

日本アレルギー学会は2026年10月30日、「アナフィラキシーガイドライン2022」の2026年改訂版を発行した。公式サイト上で新しいPDFファイル(Web_AnGL20261030.pdf)およびカバー画像が掲載され、第1版第1刷の修正点に関するファイルの掲載は終了した。 出典

公開された2026年改訂版では、予防と管理の項目においてアドレナリン自己点鼻液(ネフィー®)の使い方および指導・概要に関する記載が追加されている。 出典

解説 アドレナリン自己点鼻液に関する項目が追加されたことにより、臨床現場において新たな薬剤選択肢を含めたアナフィラキシーの予防・管理方法の確認が望まれると考えられます。 出典

行政・制度 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)

PMDA、医療機器WEB申請プラットフォームを運用停止 不正アクセス確認で

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、医療機器WEB申請プラットフォーム(DWAP)への不正アクセス確認に伴い、システム脆弱性対応として10月29日付で当面の間運用を停止した。

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は2026年10月29日、「医療機器WEB申請プラットフォーム(DWAP)の運用停止について」を掲載した。令和8年10月23日から10月26日までの間にDWAPへの不正アクセスが確認されたため、システム上の脆弱性への対応として当面の間運用を停止する。再開時期は未定で復旧まで相当の時間を要する見込みである。現時点で情報の漏洩・既存データの改ざん・破壊は認められていない。 出典

DWAP運用停止中の新規の承認申請・届出については、厚生労働省の提供する「FD申請ソフト」を利用することとされている。申請・届出中の資料の差換え手続きについては、決定次第告知される。 出典

解説 医療機器の承認申請や届出においてWEBプラットフォームが利用できない状態となっているため、申請業務を行う企業等においては厚生労働省の「FD申請ソフト」を用いた代替手段への切り替えや今後の復旧状況の確認が必要になると考えられます。 出典

医療DX 厚生労働省 - 新着情報

厚労省、労災レセプトで四肢加算コメント無は11月請求分から受付不能エラーに

厚生労働省は2026年10月30日、労災レセプト電算処理システムにおいて四肢加算のコメント記録がない場合、令和8年11月請求分から受付不能エラーになると案内した。

厚生労働省は2026年10月30日付の新着情報において、労災レセプト電算処理システムに関する案内「四肢加算に対するコメント記録がない場合、令和8年11月請求分から【受付不能エラー】となります。」を掲載した。あわせて、中国産おくらおよびその加工品に対する残留農薬チアメトキサムの検査命令実施などが追加されている。 出典

解説 労災診療を行う医療機関等においては、四肢加算算定時のコメント記録が不十分な場合に令和8年11月請求分からレセプトが受け付けられなくなるため、請求前のチェック体制やシステム運用の確認が必要になると考えられます。 出典

行政・制度 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(DX審査支払機構)

DX審査支払機構、医科の審査一般取扱い22事例を公表

医療情報基盤・診療報酬審査支払機構は2026年10月30日、医科の審査の一般的な取扱い(第41回)として22事例を公表し、コンピュータチェック公開事例を更新した。

医療情報基盤・診療報酬審査支払機構は2026年10月30日、「DX審査支払機構における審査の一般的な取扱い(医科)(第41回)」として新たに22事例を掲載した。同日付でコンピュータチェックに関する公開事例の更新も実施された。 出典

解説 公表された22事例やコンピュータチェックの更新内容は個別の症例ごとの医学的判断に基づく審査を前提としているため、医療機関においては実際の査定・返戻対策として内容を確認することが望まれると考えられます。 出典

テーマ別ピックアップ

医療DX・電子カルテ

感染症・公衆衛生

医薬品供給・安全管理

各分野の公表・改定

学会・診療指針

日本消化器病学会ガイドライン

日本消化器病学会、GERDおよび肝硬変の診療ガイドライン2026を公開

日本消化器病学会は2026年10月30日、公式サイトのガイドラインページにおいて、「胃食道逆流症(GERD) 診療ガイドライン2026(改訂第4版)」および「肝硬変 診療ガイドライン2026(改訂第4版)」を公開した。いずれも会員限定ページでの閲覧となっている。 出典

解説 最新版ガイドラインの公開に伴い、関連疾患の診療方針や推奨内容が更新されるため、日常診療における診断基準や治療選択の見直しに活用されると考えられます。 出典

日本医学放射線学会 - ガイドライン

日本医学放射線学会と日本磁気共鳴医学会、「肝MRI脂肪定量指針」を公開

日本医学放射線学会および日本磁気共鳴医学会は2026年10月30日、「肝MRIによる脂肪定量の撮像・管理指針、細則」を公開した。指針では、肝細胞内のトリグリセリド含有量を非侵襲的に定量化する手法として、confounder-corrected chemical shift-encoded(CSE)MRIによるPDFFの推奨や、T2*効果の補正における6エコー以上の取得などが示されている。 出典

解説 今回の指針公開に伴い、MASHやMASLDの臨床試験や日常診療における肝脂肪定量の標準化が進むと考えられます。 出典

行政・制度

厚生労働省

厚労省、中国産おくらの検査命令実施と労災レセプト改定を周知

厚生労働省は2026年10月30日、食品衛生法第26条第1項に基づき、中国産おくら(簡易な加工品を含む)について残留農薬メタミドホスを対象とした検査命令を実施した。同日、労災レセプト電算処理システムにおいて四肢加算のコメント記録がない場合に令和8年11月請求分から受付不能エラーとなる旨を周知した。 出典

解説 四肢加算のコメント不備が令和8年11月請求分から受付不能エラーとなるため、医療機関等においては請求事務の点検とシステムの事前確認が求められると考えられます。 出典

医療DX

診療報酬情報提供サービス

厚労省、令和8年度版DPC請求の記録条件仕様を一部変更

厚生労働省の診療報酬情報提供サービスにおいて、2026年10月30日付で「別添1-2 オンライン又は光ディスク等による請求に係る記録条件仕様(DPC用)」の一部変更が追加された。 出典

解説 DPC制度を導入している医療機関や医事システム開発事業者では、変更された仕様に基づいたシステム設計や請求データ出力設定の不整合がないか検討が望まれると考えられます。 出典

医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(DX審査支払機構)

DX審査支払機構、「審査の差異の可視化レポート」検証後レポート等を公表

医療情報基盤・診療報酬審査支払機構は2026年10月30日、「審査の差異の可視化レポート」の検証後レポート(医科8事例)を掲載した。あわせて、レセプト電算処理医科システム関係メーカー等に向けた「レセ電通信(医科)」を掲載し、令和8年厚生労働省告示第375号に伴い「オンライン又は光ディスク等による請求に係る記録条件仕様(DPC用)」の別表27診療区分コードに「0407 セバベルチニブ」を追加したことを通知した。 出典

解説 DPC用の記録条件仕様に新薬の診療区分コードが追加されたことにより、医療機関および関連ベンダーは電算処理システムの速やかな改修や対応が求められると考えられます。 出典

その他

日本製薬団体連合会(日薬連)

日薬連、メール配信委託先への不正アクセスでアドレス漏洩の可能性を公表

日本製薬団体連合会は2026年10月30日、「メール配信委託先における不正アクセスに伴うメールアドレスの漏えいの可能性に関するお詫びとお知らせ」を掲載した。会員団体・企業間の情報共有システム「PRAISE-NET」のメール配信委託先であるユミルリンク株式会社において不正アクセスが発生し、利用者のメールアドレス30,750件が外部へ漏洩した可能性がある。会社名や氏名、パスワード等の情報は含まれていない。 出典

解説 システムを利用している関係者においては、不審なメール等への警戒や公式掲載情報の確認など実務上の留意が求められると考えられます。 出典

医薬品・医療機器

薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について

厚労省、令和8年11月1日適用の薬価基準収載品目リスト等を掲載

厚生労働省は2026年10月30日、ウェブサイト上の「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」を更新した。従来の令和8年10月14日適用リストから差し替えが行われ、令和8年11月1日適用品目を反映したExcelおよびPDF形式のファイルが掲載された。 出典

解説 11月1日適用のリストが公開されたことから、医療機関や薬局においては同日からの診療報酬請求や調剤業務に向けて、医薬品マスターの更新や加算対象品目の確認を行う必要があると考えられます。 出典

短信